「エッチするより恥ずかしいことしたい」
2003年9月1日『大切なもの』
『真実の言葉』
『We’re Alone』(ゆらひかる著・ビーボーイノベルズ)
夏はやっぱりオカルト物――とかいいながらシリーズ前作『RYOUMA1〜2』を読んでから早2年……ようやく完結編を読んだのも、やはり夏になりました。(これは続きがでなかったわけではなく、ひとえにわたしが貧乏だったからです)
これはお化けや幽霊にやたら好かれる拓哉くん(受)と、寺の次男坊で特技が除霊の恋人・凌馬くん(攻)の話。この二人、どちらもまだ高校1年生なのですが、この本を読んでわたしは「性別・攻」の大変さというものをつくづく思い知りました。
もともと攻には、生物学上では(たぶん)同じ遺伝子配列を持っているにもかかわらず、「攻は受より男らしくなければならない」とか「攻は受よりも先にイッてはならない」といった暗黙のルールが存在しますが、この本の攻くんの大変さはそんなものではありません。
もちろん受くんは受くんで大変です。香水もつけていないのに近づくとなぜかいい匂いがする天然フェロモンを分泌したり、ただ護られているだけのようで実は攻くんの心を優しく包み込んでいたり、はては幽体離脱した攻くんの魂を愛の力で現世に呼び戻したりと、常人には不可能な技を駆使しなければなりません。
しかし攻くんはというと、歩いているだけで心霊体験してしまう受くんを護るため、山で厳しい修行を積み、命がけで戦います。学校では、天然フェロモンに惹かれて寄ってくる男子生徒から受くんの貞操を守りぬき、家では共働きで留守がちの(受くんの)両親にかわって、家事だってこなしています。
けれど、そんなものはまだ序の口。かれにとって最大の試練――それは受のお母さんとの水面下での戦いです。
母親の勘か、かれらが小学6年生の時点で攻くんが自分の息子に寄せる下心(――と書いて恋と読もう)を見抜いた彼女は、ことあるごとに攻くんを牽制します。二人の部屋へ突然顔をだしたり、あるいは息子にさり気なく探りをいれたり……まったく気づいていない受くんをよそに、心理戦を繰り広げています。ホモ小説でありながら、嫁姑問題を彷彿とさせますね。
そんななか、親の目をかいくぐり、痛がってあまりしたがらないうえに横になると3分で寝てしまう(おまえは○び太か!)受をなんとかなだめすかしてその気にさせ、一話につき一回のノルマをこなさなければなりません。
並の体力・精神力ではできませんね。ラスボスとの決戦前など、(しばらくできないからか)やり溜めしていました。さすが高校生です。
最後は受くんがお化けに好かれる原因が、実は攻くんの過去の行為にあったということが判明して、きれいにオチがついていました。
なんにせよ、かれには今後も義理のお母さんとの戦いに健闘してほしいものです。
『真実の言葉』
『We’re Alone』(ゆらひかる著・ビーボーイノベルズ)
夏はやっぱりオカルト物――とかいいながらシリーズ前作『RYOUMA1〜2』を読んでから早2年……ようやく完結編を読んだのも、やはり夏になりました。(これは続きがでなかったわけではなく、ひとえにわたしが貧乏だったからです)
これはお化けや幽霊にやたら好かれる拓哉くん(受)と、寺の次男坊で特技が除霊の恋人・凌馬くん(攻)の話。この二人、どちらもまだ高校1年生なのですが、この本を読んでわたしは「性別・攻」の大変さというものをつくづく思い知りました。
もともと攻には、生物学上では(たぶん)同じ遺伝子配列を持っているにもかかわらず、「攻は受より男らしくなければならない」とか「攻は受よりも先にイッてはならない」といった暗黙のルールが存在しますが、この本の攻くんの大変さはそんなものではありません。
もちろん受くんは受くんで大変です。香水もつけていないのに近づくとなぜかいい匂いがする天然フェロモンを分泌したり、ただ護られているだけのようで実は攻くんの心を優しく包み込んでいたり、はては幽体離脱した攻くんの魂を愛の力で現世に呼び戻したりと、常人には不可能な技を駆使しなければなりません。
しかし攻くんはというと、歩いているだけで心霊体験してしまう受くんを護るため、山で厳しい修行を積み、命がけで戦います。学校では、天然フェロモンに惹かれて寄ってくる男子生徒から受くんの貞操を守りぬき、家では共働きで留守がちの(受くんの)両親にかわって、家事だってこなしています。
けれど、そんなものはまだ序の口。かれにとって最大の試練――それは受のお母さんとの水面下での戦いです。
母親の勘か、かれらが小学6年生の時点で攻くんが自分の息子に寄せる下心(――と書いて恋と読もう)を見抜いた彼女は、ことあるごとに攻くんを牽制します。二人の部屋へ突然顔をだしたり、あるいは息子にさり気なく探りをいれたり……まったく気づいていない受くんをよそに、心理戦を繰り広げています。ホモ小説でありながら、嫁姑問題を彷彿とさせますね。
そんななか、親の目をかいくぐり、痛がってあまりしたがらないうえに横になると3分で寝てしまう(おまえは○び太か!)受をなんとかなだめすかしてその気にさせ、一話につき一回のノルマをこなさなければなりません。
並の体力・精神力ではできませんね。ラスボスとの決戦前など、(しばらくできないからか)やり溜めしていました。さすが高校生です。
最後は受くんがお化けに好かれる原因が、実は攻くんの過去の行為にあったということが判明して、きれいにオチがついていました。
なんにせよ、かれには今後も義理のお母さんとの戦いに健闘してほしいものです。
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