『雨柳堂夢咄 其ノ四』(波津彬子作・眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

深読みしようによってはアヤシゲな日記タイトルですが、そういう本ではなく。
ひさしぶりのネムキです。
いえ、わたしとしてはもっと頻繁に読みたいというか、百鬼夜行抄とこれはコンプリートしたいところなのですが、なにぶんなにぶん無職の身では、新刊はおろか中古でもめったに買えません。
まあ、たまに本屋で見つけてきてはちびりちびりと読むのも、それはそれでよいのですが。
なんといっても、主人公(というより狂言回しか)の蓮くんが、とってもわたし好みの美少年なのです。美少年を愛でつつ、レトロで幻想的な世界に浸る、そういう楽しみかたのできる本もなかなか貴重です。

というわけでこの本、すでに何冊も読んでいるので改めて書くこともないかと思いきや。
今回わたしが注目したのは146頁、「夢を見る蔵」という話のラストシーン。夢のなかで大立ち回りを演じた蓮くんが、自室ですやすやと眠っている場面です。
寝顔の美しさもさることながら、わたしはかれの使っている枕に目を奪われました。この枕がじつにいい。わたしは枕に関しては、それなりにこだわりがあるのです。
うつ伏せに眠る横顔の下に敷かれた、大きくてやわらかそうな枕……やや薄そうな印象は受けるものの、そのへんのただ弾力があればいいと思っているような枕とは一味も二味もちがいます。

蓮くんのおじいさんは骨董屋さんをしていて、かれ自身もその手伝いをしているのですが、さすが物を見る目があるということなのでしょう。わたしの使っている枕は二十年物で、枕としては骨董の部類に入るかもしれませんが、かれの使っている枕もそのくらいなのかもしれません。
道具屋さんは枕を見る目もあった!

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